代表取締役社長
北村 英明
取締役常務
北村 博紀

堅実とチャレンジの両立。
次世代まで胸を張れる
企業をつくる。

当社の成長を牽引し、
経営と販路拡大を担ってきた
社長・北村英明と、
これからの新たな挑戦を模索する
常務・北村博紀。
ふたりが互いの視点を共有しながら、
未来につないでいくべき
会社の姿について考えます。

技術革新の先代から、
販路大幅拡大の現在へ。

常務・博紀

まずお聞きしたいのですが、社長にとって、北村製布はどのような存在でしょうか?

社長・英明

私にとって北村製布は、水海道という街に根ざし、地域と共に歴史を重ねてきた会社です。 社屋は物理的にも目立ちますし、創業以来100年以上、この地で商いを続けています。 だからこそ、地域の皆さんの期待に応える企業でありたいと考えてきました。

常務・博紀

私も共感します。 小さい頃から、街を歩けば「北村さんにはお世話になっているよ」と声をかけていただくことも多くありました。 一方で、この街を離れると、知名度はそれほど高くないとも感じています。

社長・英明

私たちの業種というのは、いわば縁の下の力持ち。 BtoBの事業であり、お客様の工場の機械設備の一部となって役に立つものです。 世の中に広く知られる機会はほとんどありません。 だからこそ、私は経営に携わるようになってから「いかに拡販していくか」という課題に力を注いできました。
もともと醤油の製造分野では高いシェアを持っていましたが、先代(現会長・北村仁)の時代に合成繊維の導入が進み、そこから私も経営に関わる中で、豆腐や日本酒、さらには環境保全用のフィルターなど、多分野への展開を進めてきました。

常務・博紀

その中でも、社長ご自身が特に力を入れてきたことは何でしょうか。

社長・英明

一つは、新しい業界に当社の存在を知ってもらうということです。 DM(ダイレクトメール)、HPの作成など、外部に開くような広報施策を始めたのもその時期です。 ゼロから関係を築き、少しずつ信頼を得ていく過程には、大きなやりがいがありました。
もう一つは営業活動です。 自分自身で新しいお客様のところに足を運びながら、様々な提案を重ねてきました。 お客様に「これまでうまくいかなかった部分が、北村さんの製品で改善できた」と言っていただけたときは、この上ない満足感がありました。

これからの北村製布は、
実行力を上げていく。

常務・博紀

企業としての安定基盤を守りながら、積極的な取り組みを少しずつ増やしていったのが、会長から社長の代でした。

社長・英明

一方で、私はどちらかというと、堅実で地に足のついた経営を意識していました。
その意識が芽生えたきっかけですが、経営に携わり始めた頃、お客様から「北村は納期があてにならない」と言われてしまったことがありました。 工数管理や労務管理に課題があるとわかっていながら、十分に改善できていなかったのです。 そこから反省して、レーザー裁断機や新しい織機を導入したり、製造工程を見直して社員に共有したりと、設備投資と現場の意識改善に取り組むことで納期遅れを解消しました。 今では当たり前のことばかりですが、地に足つけて、お客様の立場に寄り添う体制をつくってきた自負はあります。
常務は、これからの北村製布には「実行力」が必要だと言いますが、具体的にはどのようなことでしょうか。

常務・博紀

たとえば販路開拓では、可能性のある業界を見つけたときにすぐに動いてアプローチをかけるスピード感が必要です。 また、そのために必要なバックオフィスの改善や、生産性を高めるツールの導入など、柔軟に仕組みを見直していくことも欠かせないでしょう。 どんな取り組みを行うにしても、柔軟な考え方や最後までやり切る徹底性の浸透、仕組みづくりを通じて、組織としての実行力を高めておく必要があります。
もちろん地に足をつけることは忘れませんが、現状維持だけでは企業は衰えてしまうと考えています。 今と同じことを続けていれば短期的には問題ないかもしれませんが、技術開発が進むことで、ろ布の需要が変わる未来もあり得ます。
だからこそ今、「変化をしないことのリスク」にも目を向けながら、改善と挑戦を重ねるべきだと考えています。

社長・英明

その先に、どのような姿を思い描いていますか?

常務・博紀

まずは、フィルターの可能性を、もっと突き詰めていきたいです。 そしてその先には、今まで全く取り組んでいないような領域への挑戦もあるかもしれません。
これまでの強みを活かしながら、新しい領域へと踏み出していく。 そのときに必要なのが、まさに組織としての実行力だと言えます。

技術、販路、仕組みを
フルメンバーで整える。

常務・博紀

会長、社長、常務の私が、3世代そろって経営に携わる今、率直に「フルメンバー」だと感じています。 歴史を知る会長と、今を担う社長と、これからをつくる私や社員たち。 それぞれの得意分野や視点を活かし合えば、これからの北村製布はもっと進化できるでしょう。
会長には、これまで蓄積されてきた技術やノウハウの言語化・体系化を進めてほしいと考えています。 実はこれまで形にできなかった製品規格も多くストックされていますが、技術やニーズの変化で今になって価値を発揮するものもあるかもしれません。 過去の規格でも営業手法を変えればお客様に受け入れられる可能性もありますし、次の新しいアイデアのヒントになることも期待できます。

社長・英明

私は目下、海外の販路拡大に可能性を感じています。 日本酒業界では当社の製品を広くご使用いただいていますが、日本酒をはじめ和食関連も世界的にブームが広がっています。
その波に応えるため、営業手法をさらに磨き上げて販路を拡充すると共に、設備投資を強化し、生産性を一層高めていきたいと考えています。

常務・博紀

設備投資と同時に、社内の仕組みづくりやデジタル化を並行して進めることで相乗効果が生まれるはずです。 よりスキルアップできるような研修制度の充実や、これまで口頭で伝えられていた技術の明文化、外部との協働などを通じて、より強い体制をつくっていきたいと思います。
仕組みの改善で生産効率を上げることができれば、社内に余力が生まれます。 余力があれば新商品の開発にもチャレンジでき、さらに次の北村製布へと進んでいけるでしょう。

社長・英明

常務は、100年以上続いてきたこの会社を、次はどんな組織にしたいと考えていますか?

常務・博紀

私は、社員のみなさんが「胸を張れる会社」をつくりたいと思っています。
たしかに、私たちは世間的な知名度が高い会社ではないかもしれません。 しかし、私たちの製品を信頼してくださるお客様は多く、働く環境や待遇も改善し続けています。
だからこそ、社員一人ひとりが「自分は北村製布の社員だ」と胸を張って言えるような、そんな会社にしていきたいと考えています。