
代表取締役会長
北村 仁取締役常務
北村 博紀
「今日もいい一日だった」と
思える会社を、
これからもずっと。
北村製布のこれまでを支えてきた想いと、
これからを担っていく想い。
当社の歴史を紐解きながら、
転機となった出来事や
受け継いで行きたい姿勢について、
会長・北村仁と常務・北村博紀が語ります。
製品はお客様の工場の一部。
技術革新後も、
変わらない姿勢がある。
常務・博紀
北村製布を長く知る会長と、一度他の企業を経て入社した私、それぞれの視点から改めて北村製布を見つめ直したいと考えています。 まずは会社の歴史を振り返り、大きなターニングポイントについて伺えますか。
会長・仁
やはり技術革新です。
昭和40年代後半に、合成繊維が登場しました。 それまでは綿製品が主流でしたが、ポリエステルやナイロンを使用した新しい布製品が作られるようになりました。 軽くて格段に丈夫なので、当時は「夢の繊維」と呼ばれたものです。 例えば、フィルターの交換頻度が従来品と比べ12分の1になるものもありました。
製品寿命の大幅な伸びは、お客様にとって大きなメリットです。
常務・博紀
それほど大きな技術の変化となると、大変な側面もあったのではないでしょうか。
会長・仁
製品開発は、簡単なことではありませんでした。
私は大学で化学を専攻していたので多少の知識はありましたが、合成繊維がどのようなものか知られていなかったですし、どのように織ると良いのか、製造方法や活用方法も手探りの状態でした。
例えるなら、乳母車に乗っていた人が、いきなり自動車を運転するような感覚です。
常務・博紀
今の製品群も、会長の時代に開発・製造されたフィルターが基盤になっていますよね。
会長・仁
ただ、一生懸命作るだけでは意味がありません。
お客様に新素材フィルターのメリットを感じていただき、その導入方法や有効な使用方法を明確に伝える必要がありました。
当時からお客様の多くは製造業で、その工場のラインの一部として私たちの製品を使ってくださっていました。 新しい技術を用いる上で大切だったのは、売って終わりではなく、工場に合わせた提案をすることです。
常務・博紀
お客様の工場のラインの一部だからこそ、という姿勢は、今も変わらず受け継がれていると感じます。
働く社員の家族のことまで考える
「三方よし」。
常務・博紀
例えば今でも私たちは、「納期はお客様の現場の動きに合わせるもの」と言います。 お客様の工場の一部を担っているという意識があるからです。
会長・仁
製造ラインでの使いやすさや必要なタイミングなど、お客様に合わせて製品を提供することが大事。 たしかにこれは、当時から今まで、ずっと変わらず続いている姿勢です。
常務・博紀
その根底にあるのが、私たちがいわば家訓のように受け継いできた「三方よし」という考え方です。 「売り手よし、買い手よし、世間よし」。 この言葉を大切にしながら、お客様やパートナー企業、ここで働く社員の皆さん、そして社会全体にとって良い仕事であることを目指してきました。
私自身も、小学生の頃から「自分だけの利益を考えていてはいけない」「三方よしの考え方を大切にしなさい」と教えられてきました。
会長・仁
ただ「三方よし」と言っても、本当はもっと広い意味を持つと考えています。
例えば社員の幸せを考えるなら、働いている本人だけでなく、その家族のことまで思いを巡らせるべきです。
会社を続けることはお客様や社会への貢献でありながら、働く社員とその家族を守ることでもあります。 だからこそ、安定して長く、信頼される会社であり続けようと思うのです。
常務・博紀
「社員は家族であり、その先にいる家族のことまで考えること」。 これも、昔から語り継がれてきた教えです。
私が家業を継ぐ決断をしたのも、小さい頃に聞いたこの考え方がきっかけになっています。
経営と現場の想いはひとつ。
時代に合わせて変わり続ける
会社に。
会長・仁
これからの北村製布については、どのように考えていますか?
常務・博紀
「三方よし」の通り、お客様やパートナー企業、ここで働く社員の皆さん、そして社会全体にとってより良い会社であり続けるためには、新商品の開発や営業活動の強化といった外に向けた取り組みに加えて、会社の内側に目を向けた変革も欠かせません。 仕組みや制度、働き方などを時代に合わせて進化させていく必要があると考えています。
そのためにまず、社員一人ひとりが前向きに取り組める環境を整えるため、全体方針を伝える場を設けたり、現場の声を直接聞く機会を増やしたりと、コミュニケーションの場づくりから始めています。
こうした取り組みを通じて、経営と現場の距離をできるだけ縮め、社員全員が一体となってより良い方向へ進化していくことを目指しています。
会長・仁
変えてはいけないものと、変えていくべきものを見極めて、着実に前へ進めていくことが大切です。 変化を焦らず、ゆっくり進めた方がよいこともあります。 働く社員の皆さんとしっかりコミュニケーションを取り、想いを受け止めながら、より良い会社にしてほしいと思います。
常務・博紀
仕事の手法や仕組みなどは、お客様や時代に合わせて変化し続けながらも、受け継がれてきた想いや考え方は、変わらず心の中心に置いて進んでいきたいと思っています。
仕事をして、1日の終わりに「今日もいい日だったな」と感じられるような会社でありたい。 1年の終わりには「今年もよかったな」と思ってもらい、そして大げさですが、人生の終わりには「いい人生だったな」と思ってもらえるようにしたい。
そんなふうに、働く皆さんの人生にも寄与できる北村製布でありたいと考えています。